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きむら小児科 アレルギー科 小児科 米子市

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よくあるご質問

子供の気管支喘息は治る可能性がありますか?
子供の気管支喘息は大人の場合と異なり、根気よくきちんと治療をすれば約60~70%が完全治癒するチャンスがあると言われています。喘息の原因である気管支の炎症が慢性化し、回復できぬ状態となって治療が難しくなり、一生苦しまねばならぬ状態になるのを避けるためには、喘息が発病したら、出来るだけ早く医師の診察を受け適切な治療管理を始めることです。早期介入、早期治療開始の大切さが最近強調されています。そして、医師の指導のもとで、発作をコントロールするために適切な薬物療法を続け、喘息発作のまったくない状態を長く維持することが喘息から抜け出すための近道であることが、研究結果からも分かっています。勿論、気管支にアレルギーを起こし、発作の原因となる家ダニなどの抗原を取り除くための環境の整備や、心身の鍛錬その他多くの発作の誘発また悪化させる様々な因子を、喘息児の生活環境から取り除く努力がとても大切です。詳細については、当院の勉強会、喘息教室に是非参加され学ばれることをおすすめします。
アレルギー疾患の原因として重要なダニ抗原を退治する方法は?
気密性が高く、四季を通じて冷暖房による快適な室内環境は、ダニやカビにとっても最高の住みかです。そして、アレルギーの病気を起こさぬためには、抗原として最も重要なダニの少ない環境で生活する事が理想です。そのために大切な掃除のメニューを述べてみます。是非実践してみて下さい。
  • 掃除機は吸引力が強く(300w以上)吸い込んだダニを外に放出しないものを使用、寝具類は1~2週間に1回、1平方メートルにつき20秒以上の時間をかけて両面を掃除し晴れた日は天日干し後に掃除機をかける。布団は片面50秒以上、両面は1分40秒以上。タタミ1畳は33秒以上。アトピット(三洋電機製)の使用はおすすめ。ただし、床がフローリングの場合は、まず拭き掃除をしてから掃除機を使用するのがベストである。掃除の時間の目安として、1mの距離を5秒以上かけてするのも可。
  • 寝室は可能な限り毎日掃除機をかける。カーペットの部屋は3日に1回掃除する。
  • 収納していた寝具、毛布類は天日干しにし掃除機をかける。(春先にしまい込んだ布団など秋に使用すると喘息発作をおこす。里帰り時の客布団は要注意!!)
  • 布団シーツ、カバー類は、少なくとも1週間に1回は洗濯する。
  • 衣類や布団用の乾燥機は殺ダニ効果(50度C以上、20分で死ぬ)があるが、ダニの死骸や糞もアレルギーを起こすので、後で必ず掃除機をかける。
  • 換気をしましょう。掃除を始める前は、子供を部屋から移動させ、窓を開け放ち換気しながら掃除をする。
  • 梅雨明けに大掃除をする。
  • 猫、犬などの毛やふけは、ダニの餌になるので室内では飼わない。
*ダニ繁殖の好適条件 - 温度20-30度、湿度60-70、温度20度以下湿度50%以下に
*以上のメニューで家屋塵1g中のダニ数が100匹以下になると喘息発作の軽減効果やダニに対する抗体産生を予防できると言われています。
登山、合宿などの外泊時、喘息児として注意すべき事項は?
6月6日(日)は、大山の山開き、いよいよ夏山登山のシーズンです。喘息児達も学校の行事や宿泊訓練などで登山に参加する機会が増えてきます。しかし、登山をする場合、喘息児は発作を起こさないよう充分気をつけておこなう必要があります。
国立米子病院時代に、毎年養護学校の先生達と一緒に重症喘息児をつれて大山の頂上までチャレンジし無事登頂に成功した経験とデータから、喘息児の登山時の注意点について述べてみます。
  • 3合目が勝負の分かれ目 - 大山登山の経験者は、ほとんどの方が3合目あたりでとても苦しい思いをしたことがあると思います。喘息児と健康児と比較してみると、同じ様に苦しいとしても、喘息児の場合の特徴は肺機能の低下がみられる事です。ここで元気付け、適当な休憩をとり水分を補給しながら何とかしのげば、その後はほとんどの重症喘息児が無事頂上まで到達し自信を深めることが出来ました。あせらず急がず呼吸のリズムを一定(スウスウハクカクで)にするよう注意しながら自分のペースを守り登ることです。
  • 薬物の前投薬 - 登山中の喘息発作を予防するには、たとえ普段薬物により発作がコントロールされていても、登山という経験したことのない過剰な負荷が発作を誘発してしまいます。いつもの薬に加えて発作を予防する薬を前投薬しておく必要があるのです。そして、必ず発作が起こった場合に有効な即効性の携帯用ハンドネブライザーを持っていきましょう。勿論、事前にネブライザーの上手な使い方を医師の指導によりマスターしておくことが大切です。仲間に迷惑をかけないためにも主治医の指導をしっかり受けて出発しましょう。
  • 宿泊時の注意 - 外泊時の環境の変化が発作を起こします。宿泊施設によっては、喘息の原因抗原であるダニがいっぱいいたり、行事訓練のために疲れ、そして睡眠不足などにより発作を起こします。楽しく行事をこなす為には、2)で述べたように予防的薬物の投与も大切です。そして、ついウッカリ医師から受けた薬物投与などの指示を行事に夢中になって忘れると悲惨な事になるので要注意!!
気管支喘息に対する鍛練療法の効果について“夏から始めよう水かぶり”
気管支ぜんそくの原因は、組織学的には気管支の炎症だといわれています。ぜんそく児の気管支(気道)では、たとえ発作が起こっていない時でも炎症は存在します。そして、気道の炎症が強ければつよいほど気道の過敏性(刺激に対する反応性)がつよいとされています。気道の炎症(気管支ぜんそく発作)を火事と考えた場合、無発作の状態は、鎮火されて(治療されて)黒こげの材木から白い煙が少しずつ立ち昇ってる状態と考えます。

その状態に大風が吹けば、材木は再び燃えて火事(ぜんそく発作)が起こります。この火事の原因となる大風を起こすのは、アレルギ-(HD、家ダニ、空中のカビ類、犬、猫など動物の毛やふけ、花粉、食物等)、RS、ライノ、インフルエンザウイルス感染症などを含む風邪症候群、タバコなどの刺激物、寒冷、温度の日差などの気象条件の変化に反応する気道過敏性、そして運動などがあります。

ぜんそく発作をおこし増悪させるこれらの大風対策がぜんそくの治療にとってとても重要です。そのひとつとして、特に気道の過敏性の亢進やかぜを引きやすい体質を改善させるために、皮膚の鍛練が有効です。“夏から始める水かぶり”をお薦めします。冷水浴は、現在長期管理薬として使用されて非常に有効な抗炎症薬のない時代には、経験的にその有効性が認められ、積極的にぜんそく治療に取り入れられていました。その後、その有効性の科学的根拠も発表されました。小児の場合、炎症をおさめ治癒に導く可能性のある長期管理薬の使用と同時進行で”水かぶり”を実践しぜんそくの完治に向かって頑張りましょう。

水かぶり(冷水浴)のやり方
  • 体をきれいに洗い、湯ぶねにはいってしっかり温まる。その間に、小さなタライに水をためる。
  • 湯ぶねから出てすぐ、タライの水を小さな洗面器ですくって肩から下に一気にかける。幼児は5杯まで、小学生以上は10杯以上も可。そして、もういちど湯ぶねにはいってしっかり温まってあがる。冬でも風邪をひくことは無い。
運動誘発喘息(EIA)ってなんですか?
運動は鍛練療法のところで述べた喘息発作を起こす大風(誘発因子)のひとつです。
  • 運動誘発喘息 - 喘息児は運動負荷をかけるだけで発作を起こします。この現象はすべての気管支喘息児に起こる可能性があります。
  • 原因 - 運動による過換気(ハアハア)により気道の冷却と水分喪失が起こり、気道上皮の浸透圧が上昇し、気道粘膜上にあるマスト細胞より発作を起こす物質が放出され、肺機能の低下とゼーゼーヒュウヒュウと呼吸困難を起こします。
  • EIAの程度と重症度の関係 - 喘息児を重症度べつにわけ、それぞれのグループに同程度の運動負荷を加えて肺機能(1秒量)を測定してみると、軽症では変化無く,中等症では平均約45%の低下と喘鳴、重症では平均約70~80%の低下と喘鳴、呼吸困難を起こします。EIAを起こしやすければ起こし易いほど、ひどければひどいほどその喘息児は重症なのです。
  • EIAの予防法 - 喘息を治癒に導くためには、EIAの起こらない体を作る事がとても大切です。EIAが起きなくなればなるほど喘息は軽症化します。そこで、鍛練療法(運動療法)が必要になってきます。

    a)種目の選択 - EIAのある喘息児は、運動をすると発作を起こすため運動をする事を敬遠しがちになります。しかし、それでは何時までたっても運動に強くなれず、喘息の軽症化につながりません。EIAを起こさない方法を考え運動を続ける事が喘息の軽症化を可能にする事になります。まず、起こりにくい運動種目を選んで積極的にチャレンジする事です。
    ●起こりにくい種目 - 水泳、剣道、テニス、野球、バトミントンなどインターバルの取れるものがよい。水泳は、最もEIAを起こしにくい種目とされ、重症の喘息児が実践してもEIAを起こさずに出来るスポーツとして薦められます。泳力がつきどんどん泳げるようになると、EIAの起こりにくい体となり喘息は軽症化し、自分の好きな他のスポーツにもチャレンジ出来るようになってきます。
    ●起こりやすい種目 - ラグビー、サッカー、バスケット、ランニング等。喘息児の最も苦手な種目は長距離走です。まず、起こりにくい運動種目を選択し少しずつだが積極的に続けることがEIA克服への近道です。
運動誘発喘息(EIA)の予防法について
EIAを起こさずに運動をするためには、まずEIAを起こしにくい種目を選択する事が前項に記載したように大切です。その他、EIAを起こさぬための対処法としては
  • 適度なウオーミングアップ - 運動負荷前に、軽くEIAを起こしそうな程度の適度なウォーミングアップを行なうと、本来の目的の運動によるEIAを予防できます。
  • 薬物使用による予防 - 運動前に薬物を使用する事によりEIAを起こさず運動が可能になります。
    ●β刺激剤 - MDI(加圧式定量噴霧式吸入器)を使用し、運動負荷15分前にβ刺激剤を吸入するとEIAを予防できます。インタール(DSCG)の吸入も同様の効果がありますが、β刺激剤(サルタノール、メプチン他)の効果が有意差はないがやや優れています。私たちのデータを以下に示します。
    # p<0.001(強い有意差あり)
    (1)メプチンエアロゾル>薬物無し
    (2)インタール>薬物無し
    # 有意差無し
    (1)メプチンエアロゾル>インタール
    (2)インタール>薬物あり
    (3)マスクによる予防ーちょっと息苦しい感じがするのですが、マスクで鼻と口を同時に覆った状態で運動負荷をするとEIAを予防できます。

    国立米子病院時代に重症の気管支喘息児にとってもっとも苦手なランニングを運動療法として毎日取り入れ、私自身も一緒に走りました。EIAを起こし難いランニング法(ゴーゴ-ランニング法)を開発し、特に寒い時期にはマスクをして走らせました。非常に有効です。ただ、暑い時期は息苦しく絶対β刺激剤の吸入をお薦めします。夏はβ刺激剤の吸入、冬はマスクの使用で苦手なランニング等の運動を克服し、喘息の軽症化を目指しましょう。国立病院時代のデータを以下に示します。

    EIAに対するマスクの効果(1秒率の低下率)
    *1200mランニング:測定条件 平均4.6℃(1-10℃)
    マスク無し  マスクあり  有意差
    38.7±27.3%  12.9±20.0%   p<0.001
    同様に、冬季に1200m走を喘息児に試みると、マスクがインタール吸入の使用より有効でした。
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